ジョンブル・ネーデルラント（第１部、青春篇）

マタハリの失敗～①～

4月11日（月・祝）
イースターマンデー

イースターのイベントも昨日で終わり、ヘンリクとアーサーは学校役員としてイースターマーケットの後片付けに参加する。

学校で参加するイースターマーケットでは、各自が持ち寄った不用品を格安で売る。

古着、古本、日用品、中古レコード、蓄音機や時計まで並ぶ。

マーケットやバザーも自由参加だ。

店番は商品を持ち寄った生徒や家族らが交代で行う。

役員はイベント準備や片付けをする。

最終日の夕方になると、賑わいも落ち着いてくる。

と思いきや、商品を持ち帰りたくない露店は売り尽くしセールを行う。

それを目当てに来る客もいて、人足は中々途切れなかった。

30分ほど様子を見る事にする。

その間、他のマーケットを見て回る。

ある露店の店主がヘンリクとアーサーに声を掛ける。

「お兄さん、ブロマイドどうだい？安くしとくよ。」

覗いてみると、映画スターや歌手など有名女性のブロマイド（肖像写真）やポストカードを売る店だった。

よりどり3枚の安さだが、男性客ばかりなのは”女性”しか扱っていないからだろう。

ヘンリクはグレタ・ガルボのブロマイド1枚と、映画『マタハリ』の時のガルボのポストカード、映画『無敵艦隊』のビビアン・リーのポストカードを1枚づつ選んだ。

ヘンリク「お前は何を選んだ？」

アーサー「ルイーズ・ブルックスとジーン・ハーロウとマタハリのブロマイド1枚づつと、ジョゼフィン・ベーカーとマタハリのポストカード、ディートリッヒのカードカレンダー。全部で6枚。」

見ると、ジョゼフィン・ベーカーとマタハリはヌードだった。

ヘンリク「ヌードだ。」

アーサー「裸じゃない。下履いてるし。マタハリはブラしてるだろ。」

ジョゼフィン・ベーカーはトップレスで、マタハリは衣装のブラジャーをしているが、下半身は裸だった。

ヘンリク「確かにオールヌードじゃないけど・・・。ベーカーは何で胸は良くて下はダメなんだ？マタハリは胸はダメで下は良いのか？」

アーサー「確かに・・・。きっと、マタハリは胸に自信がないんだよ。小さいし。」

ヘンリク「そうかもな。ダメな基準がよく分からないな。」

肩をすくめるヘンリク。