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ヘンリク「Hora. buenas tardes.(こんにちは。)ラウラ・バレーラ先生。」
アーサー「 buenas tardes.」
笑顔で挨拶するヘンリクとアーサー。
ラウラ「Hora!」
「 buenas tardes.」
母親と妹、弟とも挨拶を交わす。
「怪我は大丈夫?」
アーサーはアントニオに声を掛ける。
「うん。」
ヘンリク「アーサーから聞きました。大した事なくて良かったですね。」
ラウラ「ええ、傷ももうすぐ消えるわ。あなた達は何してたの?」
ヘンリク「学校役員なので、イースターマーケットの後片付けをするんです。」
ラウラ「ああ、そうなの。」
ヘンリク「もうすぐ閉店して片付けるんです。先生もお店を見て下さい。」
ラウラ「そうね、行くわ。」
ヘンリクとラウラ先生が話をしている間、アーサーはシルビアに微笑みかける。
すると、シルビアも笑顔を向けてくれた。
一行は学校の露店へ向かう。
ヘンリクは母親も分かるようにスペイン語で会話をするように努めた。
「ラウラ先生は学校で人気者なんですよ。以前はスペイン語の授業はあまり人気なかった。自由選択だし、校長が教えていたんですから。」
学校での様子を聞けて母親も嬉しそうに相づちを打っていた。
母親はまだ50代半ば位で若いが、黒いワンピースを着ているせいもあり、とても地味だ。
嬉しそうな母親の様子に、ラウラ先生ははにかむような笑顔を見せていた。
ラウラ先生は白地にピンク色の大きな花模様のタイトなワンピースで、ベルトで締まったウエストがメリハリボディをより強調している。
白いショートグローブと小さな帽子、ハイヒールも白。
学校で見るより派手だが、ラウラ先生も25歳の若い女性なのだ。
アーサーは後ろを歩くシルビアの隣に行く。
「君に会いたかったんだ。これ・・・、後で読んで。」
小さな声で言い、そっとポストカードを渡す。
黙って受け取り、バッグに入れるシルビア。
家族の目を気にしているようだった。
ラウラ「何か手伝う?」
ラウラ先生と家族は露店の後片付けを手伝い、帰って行った。
別れ際も、シルビアはアーサーと目が合うと微笑んだ。
舞い上げる気持ちを抑えきれないアーサーであった。
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