プロローグ~ヘンリクとイヴィ~

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プロローグ~ヘンリクとイヴィ~

ヘンリク・ルイス・ヘンドリクスは1920年12月18日、イギリス人のレーナとオランダ人のエドワルドの長男として産まれた。 元モデルの母に似て、金髪碧眼の美しい子だった。 特に幼い頃はよく女の子に間違われた。 『まるで天使ね』と言われると母のレーナは鼻が高かった。 翌年の1921年9月28日、エヴァとアルフォンス・ローゼンベルク夫妻に長女イブリンが産まれた。 母親似の黒髪に碧眼のとても可愛い女の子だった。 イヴィは人見知りが激しく、繊細でよく泣き、甘えん坊だったがヘンリクにはよくなつき、後を追いまわした。 保育園も一緒で兄妹同然に育った。 イヴィは2歳からピアノを始めたが、歌やダンスは小児喘息で断念した。 ピアノは大好きで上達も早かった。 母が少女モデルをしていた事から、ヘンリクは2歳になると子供向け広告モデルをするようになる。 ピアノは3歳から始め、他にも水泳、聖歌隊、ダンス、児童劇団など習い事をするようになる。 十代の頃モデルのバイトをしながら女優を目指していたレーナは、息子は性格的にもきっと俳優に向いていると思った。 一人っ子の割にしっかり者で、発達も早く、物覚えが良かった。 3歳頃にははきはきと受け答えができて、人見知りもなく、物怖じしない性格だった。 父のエドワルドは息子に複数の習い事や芸能活動をさせるのは反対だった。 それでもヘンリクはモデルの仕事やオーディションも遊びながら楽しんでやっていた。 しかし、父がキャンプに連れていくようになると、しだいにそちらに関心が移り、芸能活動に興味を示さなくなった。 レーナは息子を説得しようとしたが、失敗に終わりがっかりした。 結局、6歳でモデルの仕事も、習い事もピアノと水泳以外はやめてしまった。
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