プロローグ~ヘンリクとイヴィ~

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ヘンリクは9歳になるとボーイスカウトに加入した。 夏休みには長期で、9~18歳の少年たちが1週間~10日ほど親元を離れて山でキャンプするのだが、年上の子が年下の子の面倒を見るのが決まりだった。 すでにキャンプに慣れていたので、ホームシックになる事もなく楽しく過ごせた。 ヘンリクは何でも器用にこなし、勉強もスポーツもよく出来る優秀な生徒であった。 家の手伝いも進んでやる子だったが、自分のやり方を曲げない頑固な一面があった。 正義感が強く活発で、しかもハンサムなのでどこでも目立ち、自然とリーダー的存在になった。 しかし、負けん気が強く、短期なところがあり、同級生や年上の男の子たちから生意気だと思われる事もあった。 時々ケンカをして来る事もあり、母を心配させた。 男の子はケンカの一つ二つ位はして当たり前と、父はあまり心配していなかった。 生意気だと思われるのも、利発さからきていて、大人びているからだと、父は考えていた。 この頃から落ち着きがあり、しっかりしていたので、父も祖父もヘンリクは多少ほおって置いても大丈夫だと思っていた。 口うるさく言われたくないようだったからだ。
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