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ヘンリクが5歳になると、父エドワルドは息子をキャンプに連れていくようになった。
祖父のレイモンドもキャンプが好きで、よく同行したが、レーナは同行しなかった。
レーナはキャンプに興味がなかったし、夫とうまくいっていない時期でもあり、義父に悟られたくなかった。
ヘンリクは大喜びで、キャンプは男だけの楽しみだった。
最初は月に一度だったが、もっと行きたいとせがむようになり、月に二回の他、夏休みなどは頻繁にキャンプに出掛けた。
帰ってくるといつも虫取りをしたとか、蛙をつかまえたとか、その日あった事を楽しそうに母に話した。
祖父と父は昔は不仲だったが、エドワルドが結婚し、ヘンリクが産まれてからはお互い歩み寄った。
祖父は孫を大変可愛がり、ヘンリクもよく懐き、おじいちゃん子になった。
火をおこして炊事をしたり、魚釣りやテントの張り方を教わった。
ボートの漕ぎ方とナイフの使い方は6歳になってから教えてもらった。
この時期、祖父と父と三人で過ごした経験は、ヘンリクの一生の思い出となった。
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