世界で一番、君が好き ―花咲く時間 番外編―

1/56
230人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
一) その潤んだ瞳で見つめられると(たま)らなくて、梅太郎は目の前にいる小春の肩をそっと抱いた。 「梅ちゃん…?」 「小春、好きだよ」 耳元で静かに囁くと、小春の身体が小さく揺れる。キスだけなら何度もしているけれど、彼女は(いま)だに慣れないのか、顔を近付ける度に恥ずかしそうに俯いて頬を紅く染めてしまう。 そんな姿に余計に(あお)られて、梅太郎は少しだけ強引に唇を重ねた。 彼女の柔らかな唇の感触が触れる度に、自分の胸もどくどくと高鳴っていく。 (小春、可愛い…) 自分の腕の中に大切な人が居るのだと思うと、それだけで心の中が温かく満たされ、そして彼女を守るために強くありたいという想いが止めどなく湧き出てくる。 「小春…」 唇を離して名を呼べば、愛おしさが溢れて自分の頬も熱くなる。目の前の彼女以上に、自分の顔も赤くなっているのだろうとぼんやり考えながら、梅太郎は再び小春へと顔を近付けていく。 「好きだよ」 「ねぇ、梅ちゃん………起きなくていいの?」 「え?」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!