第20章(1)アカリside

5/6
前へ
/308ページ
次へ
「っ……ヒナタ!」 「なんでっ?なんで、パパじゃないひととけっこんするのっ?」 「!っ……」 「パパのことっ……だいすきって、ッ……。いっしょにっ……パパまつって!っ……やくそく、した……のにッ」 必死に涙を堪えた瞳で、ヒナタは私を見つめながらそう言った。 その瞬間に、解ったの。 これは、時間をかけて分かってもらう問題ではない、と……。 ただ、駄々を捏ねている訳じゃない。 この子はこの子の強い意志があって、私に嫌だと言っているのだ。 「っ……ままのばかぁ〜〜っ!!」 何も、上手く言葉を返せない私に泣き出すヒナタ。 そしてその雰囲気に、ヒカルも一緒に泣き出してしまった。 我が子の鳴き声が響く部屋の中で、思った。 この子達を私の人生に巻き込んではいけない、と。 この子達は私の子供であり、そしてヴァロンの子供なのだから……。 …… …………。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加