第20章(1)アカリside

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第20章(1)アカリside

1月1日ーー。 年が明けた。 今日からまた新しい1年が始まる。 これをキッカケに心機一転して、ガラッとこれまでの自分を変えようとする人もいるだろう。 私も、その1人だ……。 「ーーッ……。 ア、アカリ?何を言っているのだッ、……ほ、本気なのかっ?」 新年の挨拶に本邸を訪れた私達の話を聞いて、お祖父様はものすごく驚いた。 それは、そうだよね……。 客間でテーブルを挟んでソファー席に座るお祖父様の正面には私が座り、その私の横には今アラン様が居る。 そして今日は……。 「はい、決めました。 私は……こちらにいるアラン様との縁談を、進めようと思います」 大事な大事な、報告に訪れたのだから。 お祖父様は、驚きの中に悲しみがあるような……。今までに見た事のない表情で、私を見つめている。 大丈夫よ。 私はそんな気持ちを伝えるように、微笑んで見せた。 だって、私も前を向いて進みたいんだもの。 大好きな、あの人みたいに……。
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