第20章(1)アカリside

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マオさんは、クリスマスイブのあの別れの日以来変わった。 ……ううん。 多分、ミネアさんと赤ちゃん。護る人が出来てから、すでに変わっていたんだと思う。 その証拠に、クリスマスが明けてすぐにマオさんが義父になるハンク様の補佐をして仕事を成功させたって新聞で見た。何でもあと一歩、相手がずっと渋っていた問題をマオさんが的確に見付けて解消したんだとか……。 つわりで体調不良のミネアさんに代わって、今後はハンク様の片腕として動いていく事になるんだろう。 すごいね。 護りたい人がいると、そんなにも変わる事が出来る。 彼は自分の事よりも、いつも誰かの為に頑張って頑張って……。 だから、ね。 私も変わりたいと思ったんだ。 私でも誰かの役に立てるのならば、貴方のように変わりたい。負けないように、強くなりたい。 「アラン様は、お祖父様を共に支えて下さると約束してくれました。 そしてお祖父様に何かあった際には、一時的に自分が会社を引き継ぎ……いずれ、成人したヒカルを跡継ぎにして下さると」 「詳しくは、こちらの誓約書等をご覧下さい。 すでに私はアカリ様と話し合い、了承のサインは済ませてあります」 私の説明を補足してくれるように、アラン様も誓約書などがまとめられた物をお祖父様に差し出しながら言ってくれた。
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