第20章(1)アカリside

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すると、少し躊躇しながらもお祖父様は頷いて書類を受け取る。 「……。 分かった、一度考えさせてくれ。 子供達も……。ヒナタとヒカルも、了解していると取って良いのだな?」 「っ……」 しかし、その直後にお祖父様から痛い質問。 私は一瞬言葉を詰まらせるが、黙っている訳にもいかず答えた。 「その件に関して、お祖父様にお願いがあります。 ……どうか、ヒナタとヒカルの面倒をこちらでみて頂けませんか?」 「!……な、なんだとッ?」 私の言葉に、お祖父様は血相を変えて声を上げた。 そして視線をアラン様に移すと、キッと怒りを露わにして睨み付ける。 「貴様ッ!アカリと子供達を引き離す気かッ……?!」 「違うのお祖父様ッ!! これはっ……、これは私と子供達の問題なの……ッ」 アラン様が"連れ子とは暮らせない"と言ったのだと勘違いしたお祖父様を宥めて、私は話す事にした。 私は母親失格かも知れない。 けれど、私がこの決断をしたのにもちゃんと理由がある……。
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