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俺が病室から出ると奈月が廊下で待っていた。
どれぐらいの時間だったのだろうか?
自分が奈津に会いに来た事は正しかったのかわからない。
奈月を見ると目は赤くなり潤んでいた。
「ありがとうございました…
お母さんも喜んでいると思います」
奈月は深くお辞儀をしてお礼を言われた。
「こちらこそ、奈津さんに会えて良かった」
泣きそうになる気持ちを抑えて、奈月に気持ちを伝えた。
そして病室での事を話した。
「奈津さん、一瞬、目を開けたんです、名前…呼んでくれました。」
奈月はびっくりした顔をして
「お母さんはほとんど目を覚ます事がなかったから、幸人さんが会いに来たのわかったのかな…」
瞳が涙で溢れそうになっていた。
俺は奈月のその顔を見て、奈津の顔に重なり、思わず奈月の頭を撫でた。
奈月は奈津に似て良い子に育ったんだな…
こんなに母想いの子になってる。
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