1章

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今日もいつもと変わらず、帰宅した時には日付は変わっていた。 明日が休みであるのをいいことに帰り道の途中で買った缶ビールを開け、パソコンを立ち上げる。このパソコンの起動が遅いのをいいことにこちらもコンビニで買った弁当を温める。弁当が温まり、晩御飯の準備ができたときにパソコンと携帯に同時に一件の通知が来る。 通知の内容は毎週のことだから確認もせずに動画サイトのログインボタンを押す。すると携帯にも来ているであろう通知が画面に飛び込んできた。 《しょうさんの配信が始まりました。》 その通知をクリックして配信されているページを表示する。 「あ、こんばんわ、こんな時間ですけど寝落ちに使ってくださいね」 男性にしては少し高めの声が疲れた身体を癒してくれるような気がする。 それと同時に素早くキーボードをたたく。 『こんばんわ!今日も見に来ちゃいました!!』 「お!あかねんさん早いっすねー、待っててくれたんですか?」 送った言葉にすぐ返事が来ることに優越感を抱き、顔を綻ばせながらまたキーボードをたたく。 『ちょうど仕事終わりでこの位の時間に帰ってくるんですよ(笑)』 「あ、そうなんですね、まあ、自分もこれくらいの時間に帰ってくるんで配信 遅くなっっちゃうんですけどね」 そういって笑いながら茶色い髪をくるくるといじる。 この人は時々女性みたいな仕草を見せる。 マスクをしているせいで顔全体はわからないが、笑ったときに見せる目も猫のように細くて好きなのだ。 いわゆる、〈男の娘〉みたいなものだろう。 高めの声もボイスチェンジ機能のあるマイクを使っているのだと聞いたことがある。
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