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アカイヒガンバナ
「あ、花野おはよう!」
彼女はクラスメイトだ。
彼女の名は確か……なんとか田、みたいな名前だった気がする。
「……おはよう」
「愛想悪いなあ。ノリは大事だよ! じゃ、また教室で」
そう言って『なんとか田』は何処かへ行った。
まぁいい。朝くらいは1人でいるほうが気楽だ。
私は……花野美佳という名前だった。
年は高校1年生、どちらかといえば偏差値の高い高校に通っている。
何処かへ行く『なんとか田』を何故か見送ってから、私は自身の靴箱を開けた。
――何これ。
自分の靴箱を開けると、そこには普段通りの上履き――ではなく、1通の封筒が入っていた。
これが少女漫画ならイケメンからのラブレターなのだろうけど、顔がよくても中の下である私にはそんな奇跡、訪れるわけがない。
――めんどくさいけど、開けてみるか。
なんとなくで私は封筒を開けた。しかし、その中には――。
「何これ……彼岸花?」
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