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なんで『情熱』なのかは分からないけど……まぁ、好意でしてくれていたのならよかった。
「こちらこそ、勝手にストーカーなんて決めつけて……ごめんね。そうだ。また真藤君の花の話……聞きたいな」
自分でも、驚いた。
私は正直、あまり自分から人と関わるのが得意ではない。
でも今の私の声だ。
私の――思いだ。
「勿論、俺こそまだまだ花野さんに教えたい花言葉沢山あるから……よかったら、一緒に帰ろうよ。途中まで方向一緒だし」
辛かった、辛かった下校時間が、こんなにも楽しくなるなんて。
昨日の私なら、思いもしなかった。
でも彼がいてくれなかったら、私は一生あのままだったかもしれない。
「……うん」
私はそう頷いて、いつも通り靴箱を開けた。
そしてその中には、恐らく最後だと思われる封筒が入っていた。
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