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『悲しい思い出』
『独立』
……ほら、やっぱりそうじゃない。
彼岸花の花言葉なんて、悪い言葉に決まっている。
何故なら『彼岸』花という名前だから。
彼岸というのは……あの世のことだ。
他の花言葉も一通り見てみるが、やはり出て来るのは嫌な言葉ばかり。
――もう、帰ろう。
下校時間は辛いけれど、帰ってしまったら別にもう、関係ないし。
そう思い、私はいつも通り下駄箱へと向かった。
「ごめん! 花野さん!」
すると、いつもは『花野』と呼び捨てにし、もっと上から目線な態度の3人組はいきなり私に向かって大声で謝ってきた。
「「「本当にごめんなさい!!」」」
何がどうしたらこんな風の吹き回しになるのか。
いきなり、どうして彼女たちは謝ってきたのか。
――多分、謝ってる原因はあの『下校いじめ』だよね……?
『――きっと、君の心が変わるから』
私は無意識に、彼の言葉を思い出していた。
「じゃ、じゃあアタシたちはこれでもう帰るからっ! もう何もしないからっ!」
大声でそう言って3人は帰っていった。
3人が帰ったということは……謝ったということは……。
「もう、君は解放されるんだね」
「真藤君……」
後ろを振り向くと、そこには真藤君がいた。
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