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「ちょっとちょっと、マネージャー!」
「佐藤さん!」
「返事しなさいよ!マネージャー!」
呼んでも、メソメソする背中が少しビクッとするだけで、マネージャーは返事をしなかった。
加奈子は哀れんだ顔をして佐藤に言った。
「佐藤さん。もう、そっとしておいてあげましょうよ。マネージャー、本気で落ち込んでいるみたいなんですから。」
「うううう。」
加奈子の優しさに、マネージャーは声を出して泣き始めた。
「わかった。じゃあ、一言だけ。」
佐藤はマネージャーに歩み寄り、耳元で囁くように問いかけた。
「マネージャー。昨日のデート、いくら使ったの?」
「佐藤さん!」
「うぉぉぉぉ!」
マネージャーの悲しみが爆発した。
佐藤は大笑いし、加奈子は状況を収拾しようと慌てた。
そんな混沌の中、マネージャーの呼吸音が、『コーホー』へと変わっていった。
「私の、私の心が、ダークサイドに!ダークサイドに~!」
ーおわりー
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