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「マネージャー、ひょっとして、その抱えている花束と何か関係ありですか?」
加奈子の言葉を聞いて、佐藤はマネージャーをチラ見した。
うわ、本当に花束抱えてやがる、キモっ!と佐藤は震えた。
「うふふ。実は、今日・・」
ん?なんだ?この間。
「デートなので~す!」
「心底どうでもいいわっ!」
「まあまあ、どうどう。」
雄叫びを上げる佐藤を加奈子はムツゴロウのようになだめた。
そんな加奈子に甘えるように佐藤は抱きついた。
「加奈子さん。私はね、私の心はね、今、とてつもなく強いパワーによってダークサイドに引っ張られているのよ。」
胸元で顔をグリグリしてくる佐藤に加奈子は戸惑った。
「そ、そうなんですか。」
「マネージャーの幸福話はね、その強いパワーを増幅させるのよ。」
「わかります。マネージャーのくせに生意気だっていうジャイアニズムですね。」
加奈子は頷き、佐藤をなだめた。
デートの報告に、祝福を期待していたマネージャーは、
「ちょっと、お二人で、なに僕のハッピーに味噌を付けようとしているんですか。」
と、少し唇を尖らせた。
「ひょっとして、やきもちですか?」
このマネージャーの言葉に、佐藤は爆ぜた。
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