秘めたる想い

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 廊下を歩いていると晴哉の後ろ姿が見えた。自分から声をかけることなんてほとんどなかったけれど勇気を出して話しかける。    声をかけられた晴哉は、振り返って私の姿を見るとしばし呆気にとられていた。 「恵奈どうしたのそれ?」 「その、気分転換みたいな」  晴哉は、胸くらいまであった私のロングヘアがショートボブになっていたことに驚いていた。 「大分バッサリといったね。めちゃくちゃビックリした」 「やっぱり似合ってないかな?」  晴哉が口元を片手で抑える。目線を若干そらしながら言葉を発する。 「似合ってると思うよ」  その言葉を聞いた瞬間、頭が沸騰しそうになった。 一刻も早くその場を離れたい気持ちになる。 「次、移動教室なんだ。もう行かないと」  適当な事を言って小走りに離れる。  意識するとこんなにも恥ずかしいのか。まともに喋れない自分に対して情け無さを感じる。  でも、とりあえず一歩前に進めた気がした。絶対にこの気持ちを伝える。今日が最初の日。  私はカカリアにはならないよ。  
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