涙の誕生日

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大きい溜め息をつきながら、公民館に向けて再び歩き出す。 それでもやはり、なんだかおかしい……妙にだるい。 あの日の前、だったっけ……いやいや、先週終わったばっかりだ。 それはない。 「……今日は幼稚園訪問、免除させてもらおう……」 会合と書類の受け取りはさすがに外せないだろうけれど。 任務用肩掛け鞄からスマホを取り出して、先方の幼稚園に連絡を入れる。 頭痛止めを飲みたいのはやまやまだけど、会合で眠くなっても困る。 そうだ、折角予定を組んでくださったウキョウさんにも、報告しておかなくては。そう思ってウキョウさんに連絡を入れようにも、ずっと電話に出てくれない。 大将にかけてみてもやはり同じ。 仕方ないので戦師の下部組織の方に連絡を入れようとするけど、そちらは『回線が込み合っています』が三回続いた。 「今日、ついてないなあ……」 連絡は後回しにすることにして、とりあえず公民館に向けて重い足取りで歩き出した。 ……それから、だるいながらもなんとか会合に出席、役所まで戻って書類を受け取った。早々に仕事を切り上げさせてもらったというのに、城に戻ればいつもと変わらない時間帯だった。 ただ、城の様子がいつもと何か違う……年の瀬のせわしなさとは違う、何かバタバタとした感じ。 なんだろう、と思いながらもとりあえず自室に向かう。 自分の部屋のドアを開けると、シンラが中で電話応対をしていた。 「……!」 見れば、部屋の中はいつのまにやら折り紙の輪っかやペーパーフラワーで飾られ、机の上にはプレゼントなのか紙袋と、ケーキの箱が置かれてる。 相変わらず、準備よすぎ……! 「おう、分かった、待機しとく。 じゃ、いっぺん切るな」 彼はスマホを切ってポケットに突っ込んでしまうと、ようやくこちらを見てくれた。
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