涙の誕生日

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彼がそう言ってきたので、昼の出来事を告げる。 「……だからまだ二件、幼稚園まわれてないのよね。 報告しようにも、ウキョウさんも大将もつながらなくて」 「仕方ねえだろ、しんどかったなら。 幼稚園のほうにはちゃんと連絡出来てるなら、ウーさんへの連絡は後でもいいんじゃねえかな。 まだ体、だるいのか?」 「うーん……まだちょっと。 なんだろ、雨前だっけ?」 「や、週間天気の予報では、しばらくは晴天だったはずだぞ?」 「私より、シンラは大丈夫なの、頭?」 「……なーんか。 頭悪いって言われてるみてえだな!」 「やだ、ひどーい」 むすっとすると、シンラが歯を見せて笑った。 「俺のほうは、ほら。 自称も他称もタフガイですから!」 「あらら、また言ってる」 実は自分、たまに彼が言う『タフガイ』という意味がよく分かってなかったりするのだけど……。 「じゃ、今日は誕生日だし特別ってことで。 ヒーリングしてやるよ。 高級スパとか高級エステなんかより効くぞ」 「針ツボマッサージやお風呂屋さんのマッサージチェアより?」 「……そーゆー庶民的なたとえを出してくるのが、お前らしいよな」 そう言って彼は、極意のトランス状態を導く為に精神を集中させる。
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