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「けれど、この子見た瞬間に、 『ルビ―だ』って思ったんだ」
夫に答えながらも、私はルビーの給水機の水を変えた。
「君は」
そんな私に、夫はこう言葉を続けた。
「うさぎには、優しいんだね」
こう言われた時は。
「こん人は、何ば言いよなはっとね」と思った。
結婚したのは、今から一年半前。
知り合いの紹介で出会った夫は、一見すると「草食男子」で、穏やかな気性の人だな、というのが結婚するまでの私の印象だった。
この人とならば、お互いに協力し合って、結婚生活を築いて行けるだろうな、と私は思っていた。
けれど。
結婚してわかったのは、夫は「プライドが高い」と言うことと、そのプライドを満たすために、「妻に尽くされたい」と望んでいることだった。
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