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正直言って、それはとても厄介な案件だった。
私と夫は共働きだった。
夫だけの収入では、とてもじゃないが、やっていけなかったからだ。
しかし、夫が望んでいることは、「自分は朝妻に起こされて、キッチンに行けば朝ごはんができている。それを食べた後、 妻は手作りのお弁当を持たせてくれて、送り出してくれる。家に帰ったら、手作りの夕飯ができていて、妻とゆっくり食べて、食後はコーヒーを飲みながら、テレビを見る」ことだった。
どうも夫は、結婚したら、それが叶えられるのは、「当然」のことだと思っていたらしい。
しかしこれは、はっきり言って、無理だった。
夫の出勤は六時半で、夫の希望通りにしていれば、私は最低でも朝の四時半に起きなければならない。
確かに私の出勤時間は夫よりも遅くて七時半だけど、帰って来るのは、夫よりも遅くて、早くても夜の七時過ぎ。
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