恋とさくら

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 ジョギングをして公園のベンチに座っていると頭上のさくらの花が満開に咲いていた。 横溝(よこみぞ)は、桜の花をみるやいなや何かを思い出していた。 さくらの花言葉、精神美、優美な女性。 横溝が高校三年生の夏ごろ、さくらと言うひとつ上の先輩と付き合ってた。横溝が卒業してからも付き合っていた。 彼女は、まさにさくらの花言葉通りの、優美な女性だった。 料理も洗濯も文句無しだった。 しかし、ある日の晩、横溝とさくらが仕事帰りの道で、少しチャラそうな男がさくらに話しかけてきた。 「よう、さくら久々だな。久々にヤらせてよな」 とさくらにチャラ男が言う。 横溝は、「俺の彼女に手を出すな」と言うとチャラ男は「なに?彼氏?何だよこの男、ブ男だなー。こんなのがさくらの彼氏とか笑える」と言ってくる。 横溝はチャラ男を殴ろとした瞬間さくらが「やめて、2人とも。横溝君ごめん。別れて。」といきなり言われた。 横溝は、頭が真っ白になりさくらはチャラ男の所へ… 後から聞いた話だがチャラ男は、さくらの元カレ、そして、さくらと別れてからは、しつこく付きまとい結局はさくらが折れて負けたらしい。 あの日の出来事は全てチャラ男とさくらのシナリオ通り。 横溝はそれを思い出した。 精神美など現実にあるのか、横溝の思い出は深い傷口をつけるだけだった。 そして、また走り始めた横溝。 家に帰ると、横溝を出迎えてくれた女性がいた。 今度こそは本当の精神美のさくらだ。
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