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Yがいない空っぽな人気者
Yは一方的に突然いなくなった。
SNSが嫌いで今時なぜかブログをたまに書いてたけど。
別れてから全く更新されなくなった。
何年か経ってからYの親友って人のブログに
メッセージを送ってみたけど。
彼は、今はもうT子とは話したくないし会いたくないそうだ。
カッコつけさせてって最後に言ってたもんね。
わかったよ愛してるからもうあなたを探さないから。
Yが突然全くいない人生は、すごくつまらなかった。
味がない、色がない人生。
芸能界という、幻想を見せる虚構の世界で、人の顔色をうかがい、その場で求められるひとを必死で演じていた。
でも、Yみたいに人のダークサイドをよく分かってるひとがマネジメントしてくれてて任せっきりだったけど。
マネジメントを一人で理解するには時間がかかる、わたしは何にも知らないお嬢ちゃんのまま、ずっとYにおんぶにだっこで、守ってくれていたんだね。
Yの冗談が聞こえてこないと、毎日つまんなくて。
悲しくて。
インスタのフォロワー増えたよ!ご褒美頂戴!
TikTokのフォロワー増えたよ!
本を出版できるよ!
youtubeチャンネル次はどんな、企画作る?
じゃあ、撮影よろしく!
ぜんぶ、Yを喜ばせたい一心でやっていただけなのに。
Yはいなくなった。
二人でyoutubeまた作れば良いじゃん。なんでYはわたしを捨てたんだろう。
いつからすれ違っていたのかな。
彼が私が人気が出るたびに傷ついてるなんてぜんぜん知らなかった。
気がつかなかった。
私は鈍いのかなあ。
もう、私は限界まで女優で出来ることはやったし。
女優なんか辞めたい。
誰か、誰でも良いし、適当なお金持ちとお見合いして
芸能界を引退しよう。
私はもう疲れ切ってボロボロだった。
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