2、クラスメイト

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2、クラスメイト

(それにしても今朝のあの人、カッコよかったなぁ。思わず逃げ出しちゃったけど、スポチャン仮面っていってたっけ…) 無事に教室へたどり着いた伊東ロセ丸は今朝の出来事を回想していた。 桜吹雪をまとって舞い降りた仮面の女性は、制服とスカーフの色から見て二年生の先輩だろう。サムライの様に高く結んだ黒い長髪、布覆面で隠されていてもハッキリと感じるキリッとして意思の強そうな眼差し。ハンサムを体現したような女性だった。背も低く女の子に間違えられやすいロセ丸とはまるで正反対の美人だった。 (綺麗なひと…だったな) ぽっーとして上の空だったためロセ丸はいくつか大事な事を見逃していた。 担任の風疾風うららの話や、彼の隣に座った巨体の正体。そしてその巨体を見たクラスメイト達のひそひそ話などを、だ。 ヒソヒソ(ねえ、あれ雷門くんじゃない?) (うっそ!嫌だー雷門くんも同じクラスなの?) (ひえー雷門吾朗太だ) (おい関わるなよ、お前も病院送りにされるぞ…っ)
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