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「おい!焼き鳥野郎!やっと追い詰めたぞ!」
俺は奴に向かって怒鳴り散らす。
「何人もの罪のない人たちを殺したお前を、俺は絶対に許さん!」
それを聞いた不死鳥は聞きなれない声でクスクスと笑う。
「お前はあいつらを私が殺したというのか。」
「当たり前だ!俺は見たんだ!あいつをお前が殺したところを!」
俺は、もしものために持って来た拳銃を不死鳥に向ける。
「物騒なものを持っているな。こんなものでは我らの理想郷へは行けない。」
奇妙なことを言ったあと、不死鳥は屋上の手すりの方へ歩く。
「動くんじゃねえっていってるだろ!」
俺はわざと不死鳥の足元に発砲し、威嚇する。
それとは裏腹に不死鳥は手すりに背を向け、ローブから何か取り出す。
武器を持っていると察し、俺は奴の脚に拳銃を向ける。
しかし懐から取り出したものは、火器ではなくただの火種だった。
「ライターで俺をけん制するのか!」
「この火はただの火ではない。我らを転生させる聖火だ。」
不死鳥は自身に火をつけ、手すりから身を乗り出す。
まさか自殺する気か!
俺は奴を止めるため、不死鳥の元へ走る。
いくら悪人であろうと身勝手に死なすわけにはいかん!
罪を受け入れ罰を受けるべきだ!
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