狂おしいほど憎き愛

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狂おしいほど憎き愛

―――愛してる――― ―――愛してる――― ―――愛してる――― どれほど貴方を愛しても 貴方の心に私はいない――。 貴方の瞳に映るのは私じゃない。 私じゃない あの子·····。 柔らかな笑顔。 可愛い声。 華奢な体に綺麗な髪。 『あの子になりたい』と思った。 『あの子を殺したい』と思った。 『あの子さえいなければ』と思った。 ―――憎い――― ―――憎い――― ―――憎い――― 嫉妬に狂い絶望が支配していく心 黒いシミが ―――じわり――― ―――じわり――― 広がっていく。 ―――じわり――― ―――じわり――― 黒に心が、のみ込まれスッと楽になれた。 ふと目を閉じる。 すると目の前に現れたのは一面マリーゴールドで埋め尽くされたオレンジ色の世界。美しく鮮やかに咲き誇るマリーゴールド。花が放つ強い光りに、香りの強さに、心に秘めた炎が燃え上がる。 「嫉妬」「絶望」「悲しみ」 3つの言葉が 感情が入り交じり「愛」は憎しみに変わり形を変えた。 愛と憎しみは「表裏一体」 あの子へ花束を贈ろう。 そう·····私の願いと思いを込めたマリーゴールドの花束を·····。 マリーゴールドの花言葉 それは――― 「嫉妬」「絶望」「悲しみ」 ―END―
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