6人が本棚に入れています
本棚に追加
狂おしいほど憎き愛
―――愛してる―――
―――愛してる―――
―――愛してる―――
どれほど貴方を愛しても
貴方の心に私はいない――。
貴方の瞳に映るのは私じゃない。
私じゃない
あの子·····。
柔らかな笑顔。
可愛い声。
華奢な体に綺麗な髪。
『あの子になりたい』と思った。
『あの子を殺したい』と思った。
『あの子さえいなければ』と思った。
―――憎い―――
―――憎い―――
―――憎い―――
嫉妬に狂い絶望が支配していく心
黒いシミが
―――じわり―――
―――じわり―――
広がっていく。
―――じわり―――
―――じわり―――
黒に心が、のみ込まれスッと楽になれた。
ふと目を閉じる。
すると目の前に現れたのは一面マリーゴールドで埋め尽くされたオレンジ色の世界。美しく鮮やかに咲き誇るマリーゴールド。花が放つ強い光りに、香りの強さに、心に秘めた炎が燃え上がる。
「嫉妬」「絶望」「悲しみ」
3つの言葉が
感情が入り交じり「愛」は憎しみに変わり形を変えた。
愛と憎しみは「表裏一体」
あの子へ花束を贈ろう。
そう·····私の願いと思いを込めたマリーゴールドの花束を·····。
マリーゴールドの花言葉
それは―――
「嫉妬」「絶望」「悲しみ」
―END―
最初のコメントを投稿しよう!