家族

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ある日、また今日もペットショップへ向かう。 そこのペットショップではホームセンターで買い物ついでに寄ってみては犬を抱っこさせてもらっていた。愛犬がまだ元気だった頃もそんな風にたまに訪れては愛犬と同じ犬種の子を抱っこさせてもらってた。いつも次にその店に訪れた際にはもうその子は飼い主が見つかり店からいなくなっていたっけ。 その日は店主からゆっくりと話しを聞きたかったのもあり少し遅めのお客さんが少ないだろう時間帯に訪れた。 寝ている子。おもちゃをかじかじしている子。じーっとこちらを見つめてくる子。店員の姿を追いかけているつもりの子。ペットショップにはたくさんの犬や猫がいるけど、性格は個体でかなり違う。 亡くなった愛犬の小さい時はどうだったっけ。 あの子は地元のホームセンターにあるペットショップにいてわたしのひとめぼれだったんだ。 まだまだ寒い5月の北海道、ひとつのケージの中で兄妹二匹寄り添って丸くなっていた。 3月に生まれたばかりの、まだとても小さく片手に収まりそうな大きさ。 長い毛に覆われた犬とは違い、この子たちは短毛で手足がとても細くとてもか弱い存在に見えた。守ってあげたい。そう思った。 ただ、二匹いっぺんには厳しい。もし、もし、一匹飼って様子をみてもう一匹迎えるとしたらどうだろう。その内にもう一匹は他の家族に迎えらるかもしれない。二匹まとめてより一匹の方が飼い手は現れやすいだろうし、、、そんなことを考えながらそのペットショップをあとにした。 一晩、考えた。ミニチュア・ピンシャーについてあれこれ調べた。 飼うと生活は一変する。だから、見なかったことにするんだ。とも思ったけど、諦めきれなかった。 翌日、車でホームセンターに向かった。 わたしにとっての犬といえばラフコリーや北海道犬のイメージが強く、小型犬はあまり馴染みのある存在ではなかった。 子供のころから犬と生活をしてきたわたしでも家の中で一緒に暮らす、となるとまた別の問題が色々と発生した。 まず、愛猫もいるということ。今ならその辺もきちんと考えていただろうと思うけど、その時は、愛猫に新しい家族が増えるよ!そう猫に伝えただけで性格の違いは徐々に解消していくだろうと今思うと非常に危険なお気楽な考えだった。 その日、わたしの人生の中で車の学校代と新車の次に高い買い物をした。 ホームセンターで犬との生活を少し聞いて、店主はこの子は小型犬ということで外でのお散歩はさほど必要のない犬種で家の中を走らせておけばいいと聞いたのをしっかり覚えている。 ※実際はミニチュア・ピンシャーは筋肉質で高い運動能力をもつため、健康のため日々のお散歩はかかせない 家についてまずクレートの組み立てなど身の回りを終えてから愛猫に紹介をした。愛猫はどちらかというと性格は犬みたいな猫で人懐こかった。 興味津々に箱の中のにおいを嗅ごうとする様子で、その日から家族の犬も吠えたり鳴いたりせずに大人しくしていた。 落ち着いた頃、犬を解放すると、猫は猛ダッシュで逃げる逃げる逃げる。 犬はというと家の中をおびえつつも見回って一足ひと足と部屋の冒険に繰り出した。
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