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予想外の花梨の反応に、美橙が驚いて視線を彼女に向ければ、花梨は目を輝かせている。
「実は、私の叔母が魔力のある家系に嫁にいったの! で、一つ年上のいとこがそこの学園に通ってるんだよ!」
「そうなの!?」
「うん! って事で、パンプキン族によろしく」
「は? パンプキン……族……?」
「めっちゃイケメン揃いの集団よ! 一度だけ、いとこに写真を見せてもらったんだけど、校内一イケメンだと思っていた拓哉がカボチャに見えるくらい、比じゃないだから!」
カボチャは拓哉ではなく、むしろパンプキン族と呼ばれる彼らの方ではないのであろうか。パンプキンなのだから……。そんな事をぼんやりと考えていた美橙に、花梨は何かを企んだ笑みを浮かべて見せた。
「学園の人でさえ、中々お近づきになれないみたいなんだけど……。あんた、理事長の孫なのよね?」
「へ?」
「その特権を生かさないでどうする!? 学費免除からのパンプキン族とのコンパ開催! もちろん私を呼んでよ!」
「はぁ?」
何を言い出すのかと、花梨をじとっと睨んだ美橙に、校内一のイケメンだと騒がれている拓哉が声を掛けて来た。
「日向、ちょっと話があるんだけど……」
呼ばれた美橙が答える前に、花梨が口を開く。
「残念だけど、美橙はパンプキン族と関わらなきゃいけないから。カボチャ君は諦めて」
「え゛?」
その場に固まる拓哉。カボチャの様に身体を硬直させた彼が話したかった話の内容など、全く悟れない美橙は、拓哉を憐れんで見つめた。
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