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「ただいまー」
家に帰宅した美橙の視界に、祖母の姿が入った。瞬時に身体を反転させる美橙。
「……行ってきます」
「こら。帰ったばかりでどこ行くんだい?」
「が、学校……」
祖母は深いため息を落とし、パチンと指を鳴らした。
「うわぁ!」
美橙の意思に反して、身体が勝手に動く。洗面所で手洗いを済ませ、荷物を部屋に置き、リビングのソファーに腰を降ろすという、一連の動きを終えた美橙に、祖母が課題の進み具合を尋ねた。
「ぼちぼち進んではおります」
いくつかの呪文は覚えた。怪しげな薬品の名前なども頭に入っている。
「で、魔力はどうだい?」
魔力を上げる為のトレーニングもやってきたが……。
「一度だけ、消しゴムが3ミリほど動いた……かな?」
「消しゴムが……たったの3ミリ……」
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