理事長の孫

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☆★☆★☆★☆ 「ただいまー」  家に帰宅した美橙の視界に、祖母の姿が入った。瞬時に身体を反転させる美橙。 「……行ってきます」 「こら。帰ったばかりでどこ行くんだい?」 「が、学校……」  祖母は深いため息を落とし、パチンと指を鳴らした。 「うわぁ!」  美橙の意思に反して、身体が勝手に動く。洗面所で手洗いを済ませ、荷物を部屋に置き、リビングのソファーに腰を降ろすという、一連の動きを終えた美橙に、祖母が課題の進み具合を尋ねた。 「ぼちぼち進んではおります」  いくつかの呪文は覚えた。怪しげな薬品の名前なども頭に入っている。 「で、魔力はどうだい?」  魔力を上げる為のトレーニングもやってきたが……。 「一度だけ、消しゴムが3ミリほど動いた……かな?」 「消しゴムが……たったの3ミリ……」
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