第七話 冒険者ギルドへようこそ①

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第七話 冒険者ギルドへようこそ①

【始まりの街 冒険者ギルド】 「ですからー……お二人合わせて一万ギルになります。もうしわけありませんが……。これは、全国のギルドの規定ですので……」 「なんでよぉ! この可愛くて、美少女の勇者のわたしがお願いしてるのよ! 別に値段をまけてくれとか難しい事を言ってるんじゃない! 勇者割引で無料にしなさい! って言ってるのよ!」 「ですからー……そちらの方も確かに、国の方から勇者優遇措置と言うモノはありますが……。最近は、勇者詐欺が横行しているとの通達がありまして。身分を証明出来るモノが無ければ……なんとも……」 「きーっ、あーもうっ! ハルトもそんなとこで突っ立ってないで! この受付嬢になんか言ってやりなさいよ」 「えー……。どうも、ご迷惑をおかけしました。すいません……」 「いえ……」 「なんで! 謝るのよっ! わたし達、別に悪い事もしてないし! 嘘もついてないじゃない! 身分! 身分って! そんなに身分が偉いわけ!?」 それを貴族出身のお前が言う? てか、剣を売ったりしなければこんな事にならなかっただろうに。 まぁ、一文無しなのはオレも同じだから言えないが。 ちなみに、リリスと冒険者ギルドの受け付けのお姉さんとの押し問答は、かれこれ三十分近く続いている。 冒険者登録には一人5000ギルがかかるらしいのだが、こちらの世界の貨幣価値が分からないのでなんとも言えない。 そんなこんなしてると、ギルド奥のトビラがギィーと開き人がやって来た。 「ったく、うるせぇーなー!! こんなにうるせぇーと満足に昼寝も出来ねーじゃねーか! なんだ? 揉め事か?」 そうやって出てきたのは見るからに歴戦の女冒険者だ。右目には黒い眼帯をしており、褐色の肌に引き締まった身体。 少しだけ切れ長の大きな目に、腰には剣を携えている。 言う所の、美人な女剣士だった。 そして何よりも目につくのはーー。 「猫耳、もふもふ獣人きたあああああぁぁぁぁーっ!!」 「あん? ボウズ! 獣人を見るのは初めてなのか?」 「はひぃ!」 おっと失礼。緊張で声がうらがえちまった。 もふもふは、昔から男のロマンって言うだろ? 「あっ! ギルマス、申しわけありません……」 「ちっ! ソフィー! いつもギルマスじゃなくて、レイナで良いって言ってるだろ!」 ふむふむ。なるほど。 受け付けのキレイなお姉さんが『ソフィー』で、このギルマスって呼ばれてる人が『レイナ』と。 あっ、ダメだこれ。 ギルマスと受け付け嬢じゃ個別イベント行かねーわ。 けど、裏イベがあったらワンチャンあるかもしれねーな。 頼んだぞ作者、オレは全ルート攻略したい派だからな。 うん? 作者って誰の事だ?
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