過去

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 飲み物を買うために外に出た。  休日は滅多に家から出ない俺だが、今日は冷蔵庫のジュースが全部空になったから仕方なく、だ。  コンビニの目の前の信号が点滅し始めた。  待つのはだるいと思って小走りで信号を渡り、コンビニに入る。  いつもより人が多く、少し賑やかな店内で、俺は知り合いを見つけた。  久しぶりに見る顔で、つい話し込んでしまった。  じゃあまた、と店を出ていった友人を見てから売り場に向かった。  水とコーラを持ってレジに並ぼうとした、直後_____  ものすごい轟音と共にトラックが入ってきた。  窓も売り物も破壊して、一直線に俺の方に向かってくる。  その一瞬の出来事がとても長く感じた。  もう無理だ、とトラックの運転手に微笑みかけた俺はそのまま意識を失い、次に目を覚ました時には病院のベッドの上にいた。  医者の話によると、俺はトラックと壁の間で発見されたらしい。  奇跡的に左足以外に目立った外傷はなかったが、左足だけはトラックに潰されていたため切断するしかなかったそうだ。  トラックの運転手は事故の衝撃で死亡。  事故の原因は調査中らしい。  医者と母さんが病室から出ていった後、俺は1人で笑った。  あれは事故なんかじゃない。  トラックの運転手の自殺だ。  気絶する前に見た運転手の顔。  さすがの俺も、直前に会った友人とのやり取りを忘れるほど馬鹿ではない。 「俺、死のうと思うんだ。その時は拓希も一緒な」
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