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 目が覚めて最初に見たのは真っ白な天井だった。  目が覚めた、と言ってもベッドで寝ていたわけではないし、今まで何をしていたのかも覚えていない。  起き上がってみても、目に入るのは白い壁と床、それから壁と同化している白いドアだけ。  部屋から出ようとしても、ドアには鍵がかかっているみたいでドアノブがガチャガチャと鳴るだけだった。  もしかしたら監禁されたのかもしれない、と不安になりながらも、とても人が住んでいるようには思えないこの部屋を見ながら、何とも言えない気持ちになっていた。  何もできず、座り込んだ床は少しひんやりしていた。  いつまでこうしていればいいのだろう、と再び横になったとき、どこからか声が聞こえた。 「ドアを開けたかったら、10分以内に鍵を取り出しなさい」  よく分からないうちに声は聞こえなくなり、代わりに背後から「ドスン」という音が聞こえた。  振り替えると、そこには宝箱のようなものが置いてあった。  鍵を出そうと急いで駆け寄り、箱に手をかける。  カチャリ、と何の仕掛けもなく普通に開いた。  あまりにあっけなく拍子抜けしてしまったが、これで外に出られる……  そう思っていた俺の期待は一瞬で崩れ去った。  箱の中に綺麗に置かれていたのは、1つのチェーンソーだった。  呆然としている俺に、追い討ちをかけるように声が響いた。 「箱の中の物を使って、鍵を取り出してください。鍵はあなたの左足に埋め込まれています」  制限時間は10分。  あまりに非現実的な状況で、俺が出した結論は_____。 切断しない方は次のページ。 切断する方は2ページ先をお読みください
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