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コンプレックスはひとそれぞれで
大きい方がいいとか言う男もいるけれど
まぁ、小さすぎるのも男同士でからかわれ屈辱らしい
大人になりそうゆうこをする場面で
女性から大きすぎるからゴメンなさいと拒絶される気まずさと
辛さなど知りたくもなかった……自分で処理する虚しさもな。
1度や2度ならまだしも何度か続くと男だって傷つくものだ。
受け入れる側も裂けるんじゃないかと怖いのはわかるが
だからと言って納得できるわけでもない。
欲求不満と精神的なダメージから俺は性的対象を男にまでひろげたのだった。
女と違い男の場合は好き好きで誘われるままについていけば
大きさに驚きつつも好奇心にまけて恐る恐る俺のを受け入れる好事家。
怯むことなく俺の上に乗っかり上手に受け入れる手練れた好色漢もいて「おっきい」「壊れる」などといいながらも喜んでいた。
そんな感じで性欲を発散させ相手には困らなくなっていたが人間は欲深い生き物で一つが満足させられるとさらにその上を求めてしまい…セフレの関係ではなく特定の恋人が欲しくなっていた頃に春樹と出会った。
「うわぁ!本当に噂の通り 碧透さんの大きいんですね!!ボク大きいければ大きいほど相手を好きになっちゃうんです」
そう照れたように言った春樹はかわいらしい容姿の細身の青年で何度か肌を合わせるような関係になり付き合いだして3か月後に同棲し、2年が過ぎるころには春樹と一緒にこのまま穏やかな生活が続いていくと俺は疑ってもいなくて
「ごめんなさい…碧透さんが嫌いになった訳じゃないんです……ただボクの理想の人があらわれてしまって……」と言い出した春樹に驚き
「…どうして、俺の何が悪かった?」と衝撃を受け止められないまま俺が問えば
「碧透さん以上の人はもう現れないと思ってたんです……けどボク碧透さん以上の大きさの人を見つけてしまって……」と頬を赤くしながら春樹は告げたのだった
……この別れが俺の下半身への悩みをより根深くしたのは言うまでもない
俺はむしゃくしゃした気持ちのまま友人たちとヤケ酒を飲み泥酔したままコンビニでさらに缶ビールを買って近所の河川敷にきていた。
人気のない夜の河川敷に腰を下ろして胡坐をかいて座り買ったばかりの缶ビールを飲みながら手にしたタバコに火をつけ深く吸い込み吐き出した煙をぼんやりながめていた。
どこかで桜の花が咲いているのだろう水上に浮かぶ花びらが綺麗だった……
俺が覚えてたのはそこまでだった
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