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Scene07
静寂の森に、響くのは鳥の声。それから木々を揺らすサワサワという風の声。
そうして今、七砂の小さな啼き声が重なって。
美しいハーモニーを生んでいた。
「ぁ、……あっ……。紫乃、様。そんなに焦らしたら、ダメです。」
咎めるような口調なのに、その声は何処までも甘い。
「どうして?七砂。此処、気持ちよくない?」
ちゅう、と胸の飾りに吸い付いて、そこばかりをしつこく愛撫する。
右手は白い肌を下へ、下へと滑り。
七砂の性器をやわやわと揉み解す。
七砂はすでに先走りを零し、ぐちゃぐちゃになっている。
けれど、イきそうになると動きを止めるから、イけない状態で保たれていた。
「ん……、んん……!やだっ、も…、イかせ……」
「まだ駄目。我慢して、七砂。簡単にイったらつまらないだろう?」
「意地悪……っ」
「知らなかったか?」
低く笑って唇を奪う。
甘く、甘く。
するとどうしようもなく感じてしまうのか、七砂はびくん、びくんと魚のように跳ねた。
木漏れ日の下、発光しているかのような白い肌は、それだけで俺を煽る。
更に可愛い声と、快楽に溺れた蕩ける瞳を向けられれば、自然と体内の熱も、鼓動もあがるというもの。
今すぐ挿れたい。
そう思った瞬間、七砂が俺の首に腕を巻き付け、抱き付いて。
囁いた。懇願した。掠れた声で。切羽詰まった息を交えて。
「紫乃……様。お願い……っ、挿れて、ください。貴方が欲しくて、もう……我慢できない……っ」
そんな風に七砂に言われて、俺は息を呑んだ。
抗えるわけがない。そんな可愛い懇願に。
俺は、少し笑みを漏らし、先走りを指に絡め、アナルを解す。
長年色子として使われてきたそこは、解すまでもなく柔らかい。
滑りがよくなった頃、ついには七砂の中へ。
中へ。
ずるり、と押し入った。
「……どうぞ、好きなだけ、お食べ。」
「あ……あぁぁぁぁ…ッ!!!」
挿れた瞬間、七砂は性器から白い精を吐き出した。
イって、ぐったりした七砂を、けれど休ませたりしない。
「あ……、あ!?紫乃様……、今、イって……や、やめ……!」
腰を激しく揺らして、ナカを思い切り擦って。
イったばかりの七砂が、感じすぎて狂ったように跳ねるのを、高い声をあげるのを。
愉悦を含んだ瞳で見つめる。
俺は、小さな抵抗を見せる愛しい躰を、激しく突き続けた。
それからどのくらいが経ったのか。
七砂が完全に、堕ちた。
瞳は蕩けきり、綺麗な涙を零し、陶酔した面持ちで。
さも気持ちよさそうに、高い、甘い声をあげる。
「あ……っ、あぁ……っ、紫乃様……紫乃様……ぁぁッ!!!もっと、もっと擦って……ぇぇっ!!」
狂乱したように、二人、腰を振る。
「あ……ん……ッ!!紫乃様……、紫乃様ぁぁぁ……っ!!」
七砂は、俺の腰に足を掛け、腰の密着を更に強める。
そうしてナカをぎゅうぎゅう締め上げて、もっと、もっと、と強請った。
「七砂、そんなに締め上げたら、痛いよ。」
額から汗を零し、笑い声交じり、優しい声音で言ってみる。
「ぁ……む、り……!むりです……紫乃様!!だって、もっと……、もっと、欲しいの……!!」
切羽詰まった甘い掠れ声で、そういう七砂は、腰の動きを更に速める。
「紫乃様が……欲しいのぉ……っ!!」
七砂は今、身体全部で、心全部で、俺を求めている。
この俺だけを。
それは、俺の乾ききっていた心を潤し、満たした。
「ナカに、出してもいい?七砂。」
余裕を保てぬ声でそう尋ねれば、ぶんぶんと首を縦に振る相手。
「それじゃあ、沢山注ぐから、全部受け止めてね。」
優しい声で囁いて、
白い躰を抱きよせる。腰を一気進めて。
その、最奥。
注ぐ雄の証。
「………く……っ」
「あ、あ、あ――――――――――――!!!」
のけ反る、白。
木漏れ日に照らされた、白。
注ぐ、注ぐ。腹の中。
七砂の胸に耳を当てると、トクトクトク、と、いつまでも、精を注ぐ音が、聴こえるような気がした。
春の、森の中。
童話の絵のような、美しい景色。
その中で二人は。
どこまでも甘く、甘く、抱き合い、何度もキスを繰り返す。
それはまるで運命的に出会った、人魚姫と王子のように。
『腕の中の人魚が泡にならぬよう、この手は絶対に離さない。』
そう、誓った。強く。
それは、少しづつ、少しづつ、陰りゆく、静かな森の中のワンシーン。
美しい、童話。
この物語の結末は。
きっとハッピーエンド。
祈るように、そう、思った。
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