【キオクノカケラ】

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「先輩、ほんとにきれい。」 「え?もう、何回目? 笑えるんだけど。 今日は、なにも、 ご褒美準備してないよ。」 と、さらっと笑う。 やっぱり、 ウェディングエステは最強! キラキラさが違う、、と突っ込むと、優しい彩りでまとめられたネイルの指が、目尻を拭っていた。 「忙しかったもんね。 結婚式まで。」 ・・それは、 どこを指してるんだろう・・と ふと感じた。 先輩は、 あの恋のあと、 すぐに、 いまの婚約者さんと出会った。 ほんとに、 あっという間に、 結婚へのスケジュールが 組み立てられて、 いまだ、失恋の引きずり感から 抜け出せない私とは、 真逆の道へ あの恋の後は、進んでいった。 小さなキャンディーを バックから取り出して、 先輩に渡す。 先輩が、 そのキャンディーを じっとみていた。 「あの時のキャンディーと おなじやつじゃん。」 と、儚く笑う。
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