【キオクノカケラ】

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別れへのプロセスは、 あっという間だ。 どちらかの好きに、 翳りが見えたら、 その翳りを、 ちゃんとお互いに フォローしあわないと、 恋愛は、 なかなか続かない。 コトバだったり、 hugだったり、 キスだったり、 形のない愛情を護るために、 形のあるもので、 それをガードしようと するけれど、 それは、 2人でないと出来ないことだ。 「あの時、キャンディーくれて ありがとね。」 ラッピングを開けて、たぶん、 ストロベリーの赤い玉を 口にポイッと含んだ。 「いろいろあったね。」 「うん。いろいろあったね。 先輩。がんばったよね。」 チラッと先輩が時計を見る。 そろそろ、 ご親族様や、婚約者さまが、 打ち合わせを終えて、 戻ってくる時間だ。 「あのね。」 「なぁに?先輩。」 「このブーケ、やまちゃんに あげるね。」 「え?! いいの?!」 「うん。やまちゃんに 受け取ってほしい。。」 ふたりで フラワーアレンジメント教室に 通い、創り上げたブーケ。 先輩が、自分で作ったブーケを 見つめる。 仕上げは、 「ひとりでするから。」 と。 見せてもらえなかった 本日初公開のブーケ。 ひとつだけ、 色の違う花があるのが、 印象的なブーケだった。
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