【キオクノカケラ】

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チャペルの茶色の大きなドアが ゆっくりと開いた。 中から、 旦那様の腕に手を添えて、 先輩が少し、照れながら、 階上にたたずんでいた。 そばにいた介添えの方と、 会話を交わしうなづき、 それから、 ゲストのいるこちら側を 見渡した。 わたしと目が合った。 先輩が、 いつもの、ちょっとだけ、 わたしをからかうときの 笑顔になった。 「いくよーーー!! やまちゃーーん!!!」 え? 先輩が、こちらに背を向けた。 みんなが、 わたしを一斉に見る。 「やまーー!! うけとってーーー!」 先輩の声が 広場にひびいた。
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