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 そして、2人が恋人になってから3年が経った。  互いに勉強を教え合いながら、それぞれの学部で首席を維持していた。  ある日、2人はいつものように図書館で勉強をしていると、1人の少女がアダムに大声で声をかけてきた。 「アダム! こんなところにいましたの? 私に勉強を教えて頂けません? 今日の授業でわからないことがありましたの〜」  その少女はアダムに話しかけながら、エバを鋭い目つきで睨んでいた。  少女は魔法学院1年、リリス・ジョーゼルカ。  最上位貴族ジョーゼルカ家の権威を振りかざし、学院内では偉そうに行動していた。  幼少期、貴族の集まりでリリスとアダムは出会っており、リリスはその頃からアダムに片思いをしていた。  そのため、アダムの恋人であるエバを目の敵にしている。 「アダム、こんな平民と一緒にいては汚れてしまいます! 貴族の私たちは、向こうの席へ移りましょう!」  リリスは強引に離れた席へアダムを引っ張っていく。 「リリス! エバになんてことを言うんだ! 口を謹んでくれ!」  アダムは昔からリリスのことを苦手にしており、エバのことも考えて距離を取ろうとしていた。  しかし、リリスにその思いは届いていない。 「魔法理論のこのページを見てくださる〜?」  リリスはそんなアダムの言葉を無視し、大声で話しかけていた。  アダムの腕はリリスにしっかり掴まれており、逃げ出せない状態だ。  アダムはその場から謝罪の仕草をエバに向け、少しだけリリスの相手をすることにしたようだった。 「はぁ……」  ——ここは図書館なんだから静かにしてほしい。貴族って本当に横柄ななんだから。  リリスは毎日2人の邪魔をしていたので、エバはうんざりしていた。 「はぁ……」  集中力が切れてしまったエバは、魔植物園のベンチへ向かった。
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