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「エバに受け取ってほしい。卒業したら、僕のお嫁さんになって!」
アダムの顔は真っ赤だった。
エバが受け取った小箱の中には、小さな宝石がついた指輪が1つ。
「アダム、大好き! ずっと一緒にいてね!」
エバはアダムに抱きつく。
「エバ! 誰もいないからって……」
アダムはそう言いながらも、強く抱き返す。
「アダム、私からも渡したいものがあるの」
エバはアダムにネックレスを渡す。
「ありがとうエバ。僕は一生、君を幸せにするよ!」
リリスという邪魔者から妨害は受けていたものの、エバたちは本当に幸せだった。
***
過去の記憶から現実に引き戻されたエバは、悔し涙をこぼしていた。
「——なんで……うっ……」
——過去の記憶として葬り去ることなんてできない! やっぱりアダムを諦められない! だから、この体を嫌がっている場合じゃない!
エバは覚悟を決めた。
端末をもう一度手に取り、現実と向き合うことを決心した。
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