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「まずは、玄関からで〜す」
エリーゼは背中をグイグイ押されながらリビングから廊下へ出た。
玄関に近づくと、急に明るくなったのでエリーゼは天井に目を向ける。
天井には、ガラスでできた『つぼみ型照明』が1つぶら下がっていた。
「照明つけた?」
「はい! 玄関に照明がありませんでしたので、私が錬金して取り付けました。自信作なんです! 人が近づいたら、つぼみが開いて点灯するようにしましたよ!」
「へぇ〜、面白いデザインだね。売れそう! 錬金の腕、かなり上がったね〜」
褒められたアリスは頬を赤くする。
「ありがとうございます。次は靴箱を——」
玄関の説明を受けた後、エリーゼの部屋以外の案内が続いた。
各部屋にはテーマカラーが決められており、クッションや絨毯、タオル類、ファブリック類は全てアリスの手作りだった。
椅子やテーブルなどの大きな家具は、床の色に合わせて塗り直し、細部にまでこだわりを見せている。
洗剤類もアリス自作で、肌に優しいものだけで調合していた。
「——余計だったかもしれませんが、姉さんの寝室のカーテン、クッション、布団カバー類も作りました。室内用の靴もありますよ!」
全て水色系の爽やかな色で統一されていた。
寝室の壁が白、床も白っぽいフローリングなので、センスのないエリーゼでも良いと思える組み合わせだ。
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