45 アリスと移住生活

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*  2人が訪れたパン屋は噂通りの人気店で、店先には列ができていた。 「うわ〜、結構待つかもね」 「そうですね。買うだけですし、待つのは10分くらいじゃないですか?」 「目当てのサンドイッチが売り切れそうで心配だよ〜」 「そうですね……」  アリスの顔にも焦りの色が見えていた。  出て行くお客さんは皆、袋いっぱいに買い込んでいるので、不安を増長させる。 「——アリス〜、お腹が空きすぎて辛いよ〜」  列に並んでいる間にパンの香ばしい香りが漂ってくるので、胃が刺激されっぱなしだ。  今まさに、空腹の限界に達しようとしていた。 「あと2人待てば店に入れますよ? それくらい我慢して下さい!」 「ぶ〜」 「私だってお腹がすいてるんですから〜」 「ア〜リス〜!」  エリーゼは空腹を紛らすため、アリスの頭を執拗に撫でたりして絡み始めた。 「う〜、やめてください〜」 「あ! 店内に入れるよ!」  アリスはその言葉を聞くなり、エリーゼの手を振りほどき、逃げるように店内へ。    ——もう少しアリスのサラサラの髪を触っていたかったのに……。  エリーゼは頬を唇を突き出したまま入店した。 『——魚のサンドイッチが出来立てだよ〜! よかったら買ってくださいな〜!』  店内に入ると、店員の女性が魅力的な情報を叫んでいた。  エリーゼは慌ててサンドイッチが置かれた場所へ。  アリスも遅れてその場所にたどり着く。 「アリス〜! 2個ゲットしたよ〜!」 「よかったです〜。待ったかいがありましたね!」 「うん!」  2人は自家製ジャムが練りこまれたパンなどを購入し、家へ戻った。
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