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スコット家。
「——焼きたてでおいしい〜」
エリーゼはお湯が沸くまでの間、キッチンでつまみ食いしていた。
「あ! 一緒に食べ始めたかったです……」
ダイニングテーブルで待っていたアリスは、寂しそうにしていた。
「え? 先に食べていいのに」
魔法学院にいた時、2人はほとんど一緒にご飯を食べていなかったので、アリスの反応にエリーゼは戸惑う。
「そんな〜。久しぶりに姉さんと2人で食事ができるんですよ……」
アリスは俯いた。
エリーゼは眉尻を下げる。
「ごめん。一緒に食べよう! 姉妹だもんね!」
「はい!」
アリスの表情は笑顔に戻る。
——いつまで一緒に食べてくれるかわからないんだから、アリスが望むまで、できるだけ食事は一緒にとらないとね。
「はい、紅茶できたよ〜。さぁ、食べよう!」
「ありがとうございます。いただきま〜す!」
2人は1番人気の『白味魚フライのサンドイッチ』を最初に食べる。
「は〜! サクサクして美味しいよ〜」
エリーゼの顔はうっとりしていた。
「本当です! 衣の中の魚はふわっとやわらかいですし、この酸味のある赤いソースがそれを引き立ててます〜」
アダムみたいな解説をするアリスに、エリーゼは吹き出す。
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