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「サラさん、お久しぶりです! 来るなら言ってくださいよ〜!」
体を離したエリーゼは、あまりの嬉しさに目を潤ませていた。
「ほほほほほっ! 驚かせたかったのですわ。学院は長期休暇に入りましたから、1週間はこの国に滞在する予定ですの」
「本当ですか!? うれしいです!」
「私の親戚が所有する別荘がありますの。私と侍女しかいませんから、よかったら遊びにきてくださいね」
「はい! 私たちの家もよかったら見て下さい。広くはありませんが」
「ええ、是非! 今から伺っても?」
アダムを出迎えるために部屋の掃除はばっちり行なっていたので、エリーゼは快く頷いた。
「もちろんです! アイリスさんもよければどうぞ」
「お心遣い、感謝いたします」
アイリスは丁寧にお辞儀をした。
「じゃあ、馬車乗り場へ行きましょうか。あっちですよ」
サラはエリーゼが指差す馬車乗り場へ視線を向けた。
「……なるほど。馬車は4人用のようですから、私はアイリスとアリスさんの3人で乗りますわ。アリスさんとまだお話できてないですから」
アダムと話をしていたアリスは、すぐにサラの言葉に反応する。
その後に気づいたアダムは話を切り上げ、小声で「ごめん、またゆっくり話そう」とアリスに詫びた。
「では、アダム兄さん、またあとで」
「うん」
アリスはその場を離れ、サラとアイリスのところへ。
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