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信じられない言葉だった。
——悪魔が願いを叶える? 何かの冗談? それでも……。
「お願いします! アダムを奪い返したい!!!」
『いい返事だ。欲望まみれで堪らないな。お前に別の女の体をくれてやる』
——そんな都合のいい話を信じてもいいの?
さきほどまで感情的だったが、エバは冷静になりつつあった。
「私と同じくらいの年齢でしょうか?」
『そうだ。ラッキーだな、お前。ちょうど生贄になる若い女がいるんだよ。そいつの体を与えてやるよ。等価交換だからな』
「等価交換……?」
『ヒヒヒヒヒッ』
悪魔は笑うだけで、それ以上説明はしてくれなかった。
——悪魔の生贄になる女に転生なんて、嫌な予感しかしない……。でも……このチャンスを逃すべきではない。
「さて、どうする?」
悪魔は口角を上げた。
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