4 現実逃避

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4 現実逃避

 エバが転生して数時間後。  ベッドの上でエバは目を覚ました。  エバは転生直後に自分自身を傷つけて暴れてしまったため、侍女が睡眠魔法をかけて眠らせていた。    ——体が痛い……。そっか……。  リリスの体に転生したことは現実だとエバは再認識し、悔し涙を流す。  ——これを……受け入れられるわけがない。  エバは涙を流しながら、布団の中で体を丸める。  ——気持ち悪い! この体はやだ!!!  自分の魂がじわじわと、リリスに汚染されていくような感覚に陥ってしまう。  それがあまりにも不快で耐えられず、エバは身体中をかきむしる。 「リリス様!?」  横で控えていた侍女は慌てて睡眠魔法をかけた。  すぐにエバは動きを止め、眠りに落ちる。  侍女はホッとため息をついた。 「リリス様……」  侍女は悲しげな表情を浮かべ、エバの傷の手当てを始めた。
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