おはなばたけ

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おはなばたけ

 す」 そう言って私は元気に外へ出た。 前だけを見て勢いよく歩いてゆく、 …本当にここはのどかな村だ。子供のはしゃぎ声。そよ風の音。どこかで誰かが木を割っている音。一音一音が全て心地良い。 ある程度歩くと、一面にお花畑が広がっていた。 「わぁ…」 白、赤、青、黄色。 色んな花が咲いている。 「イヌノフグリ。あ、オオイヌノフグリ。 アサガオ!!キョウチクトウも!!!」 秋葉から教えてもらった花を見つけただひたすら私は興奮した。 「キョウチクトウは危ない花。アサガオは朝に花が開いて、イヌノフグリは…かわいい?」 そんな感じに説明してもらった気がする。 わざわざ学んだ甲斐があった。 うんうん、と一人で頷いていると 「あなた…。コスモス…?」 知らないおばさんが話しかけてきた。 「…?」 「あぁやっぱり!もう大丈夫なのね!」 「…ああ。はい。検査は昨日終わって今日 から出歩いて良いことになったんです!」 「…そう。なのね」 私が明るく話しているのに対し、そのおばさんは暗そうだ。 「…あの、ごめんなさい。どなたですか?」 たんとーちょくにゅーに聞いてみた。 「え?あぁ。そう言えば話すのは初めてだったかしら。初めて会った時も寝ていたようだし」 思い出したようにそういうと、 「村長の冬川春陽よ」
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