0人が本棚に入れています
本棚に追加
おはなばたけ
す」
そう言って私は元気に外へ出た。
前だけを見て勢いよく歩いてゆく、
…本当にここはのどかな村だ。子供のはしゃぎ声。そよ風の音。どこかで誰かが木を割っている音。一音一音が全て心地良い。
ある程度歩くと、一面にお花畑が広がっていた。
「わぁ…」
白、赤、青、黄色。
色んな花が咲いている。
「イヌノフグリ。あ、オオイヌノフグリ。
アサガオ!!キョウチクトウも!!!」
秋葉から教えてもらった花を見つけただひたすら私は興奮した。
「キョウチクトウは危ない花。アサガオは朝に花が開いて、イヌノフグリは…かわいい?」
そんな感じに説明してもらった気がする。
わざわざ学んだ甲斐があった。
うんうん、と一人で頷いていると
「あなた…。コスモス…?」
知らないおばさんが話しかけてきた。
「…?」
「あぁやっぱり!もう大丈夫なのね!」
「…ああ。はい。検査は昨日終わって今日
から出歩いて良いことになったんです!」
「…そう。なのね」
私が明るく話しているのに対し、そのおばさんは暗そうだ。
「…あの、ごめんなさい。どなたですか?」
たんとーちょくにゅーに聞いてみた。
「え?あぁ。そう言えば話すのは初めてだったかしら。初めて会った時も寝ていたようだし」
思い出したようにそういうと、
「村長の冬川春陽よ」
最初のコメントを投稿しよう!