7人が本棚に入れています
本棚に追加
退院してから2日目の朝が来た。
着信拒否から母親にこっ酷く説教を食らい、妹にはヘソを曲げられる有様。自分が悪くないはずなのにと、愚痴ばかり口にしていた。
粗方、入院中にきたLINEに返事をかいた。
事件の噂を聞きつけ、連絡してきた者が多く内容は僕を心配をするようで、事件の全容を知りたい興味本位での連絡が多くみられた。
テーブルの上に100万円が入った茶封筒と伊澤の携帯の連絡先を記したメモを置いた。
携帯を片手にメモの連絡先に電話をかける。
時刻は昼の12時を少し回ったところ、伊澤さんの勤務体制を把握してないが、出勤だとしても昼休憩の時間だと思った。
ツツー、ツツー。
トゥルルル、トゥルルル。
「はい。伊澤早由です」
落ち着いた声だった。
「柴田良太です。お約束通りに電話を致しました。会ってお話ししますか?」
「ーーそうね。今回の立役者と話さなきゃならないわね。少し、色々と都合をつけ調整をするから・・・明日かけ直すわ。いい?」
「話をするのに、調整が必要なんですか?よく分からないけど・・・明日お電話をお待ちしています」
電話をが切れた。伊澤さんの[立役者]やら調整をの意味が全く分からないが、明日の電話を待つしかないと、右脇の痛みを感じながら思った。
最初のコメントを投稿しよう!