疾走愛ー決意ー

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その2 多美代 おけいが戻ってきた 奴がいると、空気が違う いいや、アイツ、ホント ... しかしテツヤとおけい、お似合いだな… やっかみ感じる隙間すらない 友情の延長で愛情ってやつか… 最高じゃん、理想だよ 私は無粋だからまあ、何ともだが… 恋に恋してる色気づいた手合いには、ヨダレが垂れるくらい羨ましいんじゃないかな… 実際、黒沼の女ども、二人の併走をじっと見てるしな その二人、私らの前を通過だ おけいがテツヤにしっかりついて行ってる テツヤのヤツ、周を重ねるごと、ペースを微妙に上げてきてるみたいだ しかも後ろ目で、おけいの様子を伺いながら… 気遣いがいじらしいよ ... おけいとは、夏の大会で中距離の種目を競う まあ、テツヤ、せいぜいコンディションあげてやれ! ハハハ… ... 「お疲れさん!おけい、それにテツヤも…。ほい!」 私は走り終えた二人にタオルを投げた 「サンキュー!多美」 「テツヤ…、あのこと、おけいに言ったのか?もう」 「いや、言ってない」 テツヤは私から言ってくれって顔してる(苦笑) なら、わかった… 「おけい、このあと、矢吹先輩が”ある場所”で私ら3人を待ってるんだ。時間とか、大丈夫か?」 「えっ?ああ、大丈夫だけど…」 私たち3人は着替えを済ませ、黒沼高校の校庭を出た ... フン、相変わらずだ… 黒沼の在校め…、睨んでんじゃねーっての! 「おけい、気にすんな。私ら外部の生徒が最先端の防水グランド踏んでるから、気に入らないとさ。全くよう、ちいせーっての!」 は…? うーん、なんか、ノリが悪いな、この二人… ひょっとして… ... 「…ああ、来たわね。お疲れさま。さあ、こっち座って」 矢吹先輩は、すでに”そこ”にいた(笑) おけい、なんか、あっけにとられてるわ 「テツヤ、”彼女”をエスコートしてやれって!」 「あ…?ああ、そうだな。…あのさ、おけい、ここ、矢引先輩と出会った場所なんだ。オレが中学、えーと、2年の時だ…」 おけい、もう瞬き凄いわ… 何が何だかって感じなんだろうな、ハハハ…
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