1.美少女に突然ファンだと告げられて

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 予想通りの締め括りに、今度は俺が嘆息をもらした。タデやんのひと言を甘んじて受け、小言はもう終わりと判断したので踵を返す。 「あ、それから高平!」  呼び止められて足を止めると、タデやんは一枚のプリントを差し出した。 【美術展のお知らせ。テーマ:自由。〆切:5月18日】 「出さないよ?」 「やかましい」  必要事項を目で読み取って、笑顔で拒否を試みるがすげなく一蹴される。 「描く描かないは自由だけど、最後だと思ってやってみたらどうだ?」  いつまでたってもうだつの上がらない俺に、タデやんが期待してくれているのは分かっていた。  けれど、正直それが重荷だった。俺は親父と違って出来損ないだ。期待されても困る。  仕方なくプリントを手に会釈を残し、立ち去った。  もう今さらなんだ。  アイツというはきっと一生をかけても越えられない。 「まぁ、タデやんの言う事ももっともじゃね?」  それまで廊下で俺を待っていたタツと杏奈が、さっきの話を聞いてアハハと笑った。 「で? 何描くんだ、美術展(これ)」  まだ描くとは言ってない。 「かっこ悪くねぇ? 今さら」 「そうか?」
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